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そのはなし、聴きます

「死ぬ気でやる」のと「死んだと思ってやる」の違い、考察


妻が起業すると夫は

①「好きなことをやったらいいよ~」と全面的に応援してくれる

②「で、利益出てるの?」とチクリチクリと嫌味を言う

タイプと分かれるらしい。


それであいつ(息子)の学費が稼げるのか?」って私はよく言われたので、うちの夫は②タイプだ(笑)


実は夫にも①だった時代がある。

歯科衛生士として、ちゃんと別で仕事でしていた頃は優しい言葉で応援してくれていた。


鬼に変身したのはこれ1本にして開業届を出してからなのだ。

私の口から「コジンジギョウヌシ」という言葉が増えてきてから。


鬼は言うのだ。

「社長だろ?最低限自分の食い扶持稼いで、その上利益出すのが会社だろ?」と。


厳密に言うと社長でも会社でもないけど、雇われずに自分で仕事を創出してお金にするっていう意味で、何の反論もない。



ちなみにパート歯科衛生士の時には、自分の生活費は自分で稼げとは言われていない。

そして現在、もしこの仕事を辞めてパートに戻ったとしても生活費云々は言わない。



彼は私が大変甘い人間だということを見抜いているんだ。

ご飯を食べさせてもらっておいて「好きなことを仕事にしてます!」的なキラキラ矛盾感。


一度「やるんなら死ぬ気でやれよ!」と言われ「もちろんやるよ!」と意気込んだことがあったが(私としては一生懸命やったつもりだったが)まだまだ甘かった。

鬼が時々監査に入る(笑)キラキラな矛盾感は中々ぬぐえないらしい。



つい先日、夫が言った言葉が一番腑に落ちた。


「明日俺が死んだら、と思ってやれ」



目が、覚めた。


そしてすべてがやっと理解できた。

私は全く死ぬ気でなどやっていなかったのだ。



この世で、私にはもうここまで厳しく言う人はいない。

親でさえとにかく私が辛くないように、困ったことがないように。

それを最優先で言葉を選ぶだろう。

そのゆったりとした心地よさの中にいたら、私はきっと

つぶれていく。


でも夫は、心底続けたいのを知ってるからこそ

びっくりするほど厳しく、諦めずに言い続ける。



この人が私の夫で良かった。




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